あなたが今いつも着ているスーツ、いくらで購入されました?
5万円ですか?10万円ですか?
もしくは、海外有名ブランドのスーツだったら数十万ですよね。
でも、買ったときは高くても、今はもうその価値はないかもしれませんよ。
というのは、クリーニングの話。
全国クリーニング環境衛生同業組合連合会では、クリーニングに出した品物を損傷、紛失した場合にお客様に賠償をする為の基準を決めています。
それが「クリーニング事故賠償基準」です。
その中の一文で
「賠償額 = 物品の再取得価格(事故発生時における同一品質の新品の市価) ×
物品の購入時からの経過月数に対応して別表(2)に定める補償割合 [別表1、2を参照]
とあります。
別表の中からスーツの部分を抜粋すると「スーツの平均使用年数は3年」。
そして、3年を過ぎた(37ヶ月目)スーツの補償割合は、新品の約4分の1(27%)です。
この規定は、殆どのクリーニング店で事故時の賠償基準として使われています。
クリーニング大手の「白洋舎」でもネット宅配クリーニング大手の「リネット」でも同様です。
なぜ、スーツの平均使用年数が3年なのか?
それは、生地や糸の劣化を考慮したものです。
どんな洋服でも日に当たり、雨風を受け、着用により伸縮することで、使用している繊維が傷んできます。
洋服を縫い合わせている糸も同様、年月が経てば糸は切れ、ほつれてしまいます。
仕事がら、見た目にはまだまだ着れるように見えても、実際はかなり傷んでいる洋服をよく目にします。
こうなってしまうと、クリーニング時の洗浄に耐えられず、切れたり穴が開いたりする恐れがあります。
その為、着用頻度と生地の耐久性を考えて使用年数を決めているのです。
もし、今あなたが着ているスーツが6年以上前に購入した物なら、どんなに縫製が良くても
クリーニング事故賠償基準では、購入時の7%の価値になってしまいます。
そんな事故に巻き込まれないためにも、クリーニングを出すお店は料金で決めるのではなく、しっかりした技術のあるお店を探して出すようにしてくださいね。