昔々、まだワイシャツのプレス機がなかった頃の話。今と違って仕上げは全てアイロンでやっていました。
スーツを仕上げるのもワイシャツを仕上げるのもアイロン。だからとにかく時間がかかるんです。
そんな人力に頼った仕事だったので、仕上げをするスタッフは、人手不足も相まって引く手あまた。
集配をしていると他のお店から「うちは○○円だすよ」と勧誘されることもしばしば。
当時は、住み込みで働くのが当たり前だったんですが、朝起きると隣にいた人が居なくなっていて、他のお店で働いていたなんてこともよくあったそうです。
そんな事が簡単に出来たのも荷物が少ないから。自分の所持品といったら手提げバッグ1つ。
その中身はといえば、着替えとアイロンのみ。
そりゃあ気軽に出ていってしまいますよね。
現在は、機械化によって人件費が減り、随分クリーニング代も安くなりましたよね。もし今でも同じように全てを人の手でやっていたらクリーニングも高い物になっていたんでしょうね。