アパレルメーカーのデサントが特殊な技術と蓄積したノウハウを活かして生み出した高機能なダウンジャケット ”水沢ダウン” 。
特殊な圧着技術やシームレステープ加工を施すことで防水性と耐水性を備えたダウンとして人気ですが、クリーニングという観点から見るとやや問題があります。
メーカーサイトでも洗濯方法について記載されていますが、水洗いもしくはウェットクリーニングが基本。通常クリーニング店で行われるドライクリーニングは不可となっています。
なぜ、ドライクリーニングが駄目かというと、水沢ダウンが生地を接着剤で貼り合わせる圧着方式をとっているからです。ドライクリーニングというのは、油汚れをよく落としてくれますが、反面接着剤なども剥がしてしまいます。もちろん一度洗っただけですぐに剥がれることはありませんが、ドライクリーニングを繰り返すことで接着剤の強度が落ちていくことはあると思います。
じゃあ水洗いをしていれば大丈夫なのかといえばそんなことはありません。
部屋の壁紙が年月とともに剥がれてくるように、接着剤は経年劣化します。
つまり、何もしなくても時間の経過と共に接着強度が弱まってくるのです。
メーカーサイトでも「製造年から5シーズン以内のものは、弊社にて商品代金の返金をさせていただきます。」と書かれているようにメーカーとしても保障期間は5年と定めています。
ただ、水沢ダウンに限らずどんな衣類も永久に着れるわけではなく、生地が劣化したり、縫製に使われている糸が劣化したりするので基本的には3年~5年を超えると傷みが出てくるのは避けられないので、洋服の特徴をよく把握したうえで購入することが必要です。
本来であれば洋服を購入する際にお店で商品の特徴や耐用年数、適切なお手入れ方法を説明するべきだと思いますが、現状ではそういったことはなされていないので、いざクリーニングに出す時になってこういったデメリットを知ることになってしまいます。このへんはアパレルメーカーさんでも早く改善して欲しいですよね。