こんなノボリを見たことありますか?
「手仕上げの店」ってなんとなくキレイに仕上りそうなイメージですよね。
でも、手仕上げのお店とそうじゃないお店(機械仕上げ)って何が違うか分かります?
簡単にまとめてみました。
1.手仕上げ
①使用する道具
電気蒸気アイロンやヒートレススチームアイロンを使います。
②方法
アイロンと仕上げ馬を使って手作業で行います。
③担当者
主にアイロン仕上げを専門とする職人が担当します。
お店によってはクリーニング師の有資格者が担当しています。
④作業時間
品物によって数分から数十分かかります。
⑤メリット
機械仕上げでは出来ない立体的な仕上げが出来ます。
⑥デメリット
機械仕上げに比べ、作業時間がかかってしまいます。
また、担当者の技量により仕上がりの品質に差が出ます。
2.機械仕上げ
①使用する道具
ワイシャツは”ワイシャツ立体仕上げ機”、それ以外は”立体ボディ仕上げ機”で仕上げます。
※部分的に他の機械を使用する場合もあります。
②方法
立体仕上げ機に洋服をセットして仕上げを行います。
③担当者
工場スタッフが担当します。機械へのセットがしっかり出来れば、それなりに仕上がるので誰でも担当は可能です。
④作業時間
数分で終わります。また、工場によってはプレスなどせず、ハンガーにかけて蒸気をあてるだけの所もあります。
⑤メリット
手仕上げに比べて作業時間が短縮できます。
また、誰でも一定の品質で仕上げることが出来るので、有資格者をおく必要がありません。
⑥デメリット
決められた仕上げ方しか出来ないので、規格外の洋服に対応できません。
立体ボディ仕上げ機だと麻や綿素材の洋服のシワが伸びません。
ワイシャツは、エリや前タテの縮み、ボタンの欠けの恐れがあります。
どちらがいいクリーニング店なのか?
これは、何を重視するかですね。
仕上りを重視するなら手仕上げ、価格を重視するなら機械仕上げです。
ちなみに個人で経営しているクリーニング店は、手仕上げのお店が多いんです。
それは何故か?
1点1点の品物に時間を掛けられるからです。
ただし、手仕上げのデメリットでも説明したように仕上りの品質は、お店によって異なりますので注意して下さい。
じゃあチェーン店では手仕上げをしていないのかといえば、デラックスやローヤルといった特別コースで手仕上げをしています。
大量の品物を扱うチェーン店では、効率が重視されます。
1点1点手仕上げをしていては仕上がりに時間がかかってしまい、生産性が悪いので特別コースのみの対応なんですね。
ただ、この特別コースでも仕上げ台の上には、仕上げ枚数をカウントする機械が設置されているので、
”時間をかけて丁寧に”とは程遠い環境です。
クリーニング業界では、人件費が製造コストの大部分をしめるので、この辺の取り組みは仕方ないんですけどね。